
「天竺にては大聖文殊、唐土にては善導和尚、我が朝にては弘法大師の御手ばし習わせ給ふか、筆の立てどのの尋常さよ。墨つきなんどのいつくしや。にほひ、心言葉の及ぶも及ばざりけりや。文主たれと知らねども、文にて人を死なすよ。」
稽古中の『小栗 判官、照手姫』に出て来る照手姫の台詞なのですが、この短い中でここ迄の心情に至れず、苦労していたのですが、長谷川等伯の水墨画を観て、その美しさと、力強さの中にある繊細さに触れているうちに、自然とこの台詞が頭に浮かび、一気にその心境になりました!!
今観ても斬新な描き方で、背景の位置取り、大胆さと緻密さ、堅さとたおやかさ、静と動・・・相反する2つの要素が絶妙なバランスで描かれ、画家であり、デザイナーであり、照明家でもある等伯を堪能することが出来ました。
まさか等伯を観て、照手の台詞が感覚として理解出来るようになるとは・・・
正に筆にて人を死なすよ・・・
胸がきゅんとなる素晴らしい作品ばかりです。
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